番外編 ナビの鉄道旅行記2004 パート2
1月12日
タイマーで目覚める。おきたのは午前4時40分。いつもなら爆睡している時間だ。
「眠いんだけどリベンジっす!がんばっちゃうっす!」ベットの上にビショビショに塗らしたタオルを置いていてよかった!カピカピに乾いているじゃん。昨日寝る前に多分乾燥がキツイんじゃないかな?って思っていた。このタオルのおかげてノドがカラカラならないですんだ。

着替えて静かにエレベーターに乗りチェックアウトをする。果たしてこんな早朝にフロントマンがいるんだろうか?って思ったけどしっかりいた。それに昨日のチェックインの時朝5時位に出ますって言ってあったからかな?駐車場は地下だから雪はないけど、通りに出るとそこは雪ではなく氷そのもの。シャーベットと言った方が正解かな?寒さのためにより凍っている。窓を少し開けて走っている音を聞くと、カシャカシャっていうカキ氷のような音。かなりなもんだ。辺りは真っ暗。このままカーナビで高速利用で新夕張駅に向かう。

「本当だったら今回は来る予定なんてなかったのに、、、。」自宅の布団で爆睡しているはずなのになあ。2週間前の札幌での出発の時間をよ〜く把握していればよかったのに。痛い出費だ。でも仕方がない。国道337号線で千歳東ICから道東自動車道に入る。時間はまだ5時40分位。

「2週間前は今の時間に札幌のホテルを出たんだよな。」だから間に合わなかったんだ。今日は絶対間に合うはず。

「その為にわざわざ札幌じゃなくて千歳にしたんだから。」こんなガチガチのアイスバーンじゃ事故ってもシャレにならない。スピードもそこそこにユックリ走る。

「そんでも90Kmなんてスピード出しちゃってますが、、、。」夕張ICで一般道に出る。そこから10分弱で新夕張駅。貴重品なんてないから車上荒らしになってもショックはない。もっとも窓割られるんだからシャレになんないけど。でも駅の真ん前に止めて車上荒しもないか、、、、。
多分気温はマイナス10度は確実でしょう。でも風が吹いていないからそれほど体感温度は低く感じない。辺りはまだ真っ暗。でも、何処から来たんだろう?男性が3人駅で列車を待っているようだった。明らかに鉄道マニアだろう。でも、ここら辺に宿泊できる所あるんだろうか?

待合室で待つと追分方面から3両編成の列車がやってきた。所定の位置で停車して一番後ろの車両を切り離して、上り普通列車千歳行きとして発車していった。

今度は一番前の車両を切り離して、夕張行きとして発車していく。最後に中央の車両が楓行きとなって発車を待つ。俺はこの列車に乗る訳だ。でも凄いね!3両編成でやってきた列車がそれぞれ分割して1両ごと別々の方面に行くんだもん。それにしても「新夕張⇔楓」の行き先表(サボって言うんだけど)何でもないように取り付けてあるけど、たったの1区間だけなんだよね。発車を待っている間に朝日が昇ってきた。今日は晴れそうだ。
やがて定刻に発車。今日の乗車は俺を含めて7名。どれも鉄道マニアだとすぐわかる。第一こんな列車に乗ってる若いヤツなんていないよ!約6分で終点楓駅に到着。この列車は折り返し新夕張駅に向かう。

発車まで8分しかない。料金200円を払って下車。駅での撮影をしまくる。どっちにしろ、あと2ヶ月で廃止になってしまうんだから、今回が最初で最後の乗車だ。

ツーリングでは何度か見ている光景だ。もっとも雪はないし、列車なんて見たことないけど。いつかは乗ってみたいと思っていたんだけど、やっと現実の世界に今俺はいるわけだ。何というか、長年の夢がかなった瞬間といえなくもない。
さて運転手さんが出発時間になったので、みんなを列車に促す。もうお決まりのパターンなのだろう。2人がバスで引き返すとのことなので俺を含めたマニア5人と地元の人1人が乗車して発車する。

6分で終点、新夕張駅に到着。俺はレンタカーを駅前に置いてあるので問題ないが、マニアはしばらく駅で接続列車を待つんだろうな。でも俺ってすんごいバカかもしれない。こんな片道6分の列車に乗るためだけに5万以上の航空券を購入してるんだもん。

さてと楓駅の探訪も終了。今乗ってきた列車は、しばらく停車したままだ。車に乗り今日も富良野をめざそう。帰りの飛行機は16時40分新千歳空港発羽田行き。だから16時までに空港に到着できればいい。でも富良野は遅くても14時前には出発しないとフライトに間に合わないので、それだけは頭にたたきこんだ。

北上して桂沢湖方面から富良野に行こう。昨日と同じコースじゃ面白みに欠ける。途中清水沢駅に寄ってみる。ストーブが焚いていて待合室は暖かい。でも何故か「駅の業務は終了しました」だって!
「折角記念に乗車券とか買ってみようと思っていたのに。」残念!まあいいか!さっきまでグズっていた空から雪が降ってきた。ったく!降るなよ!

今日は朝から何も食べていない。実は富良野でたらふく食べようと考えているからだ。そのため飲み物だけにしておいた。
国道452号線は道幅は広いけどコーナーが連続していてアイスバーンも所々あって、ちょっと怖い!ちょっと直線があって速度上げるとその先のカーブでヒヤリとする時がある。

「ヤダヤダ!事故りたくない!」しかし結構距離がある。桂沢湖をクリアして右折。芦別方面に向かう。途中、三段の滝なんて所があるんだけど、除雪された雪で見ることができない。多分夏は結構観光客がいるのかな?

「あ〜雪が止んだ!ラッキー。」富良野にショートカットできる道道135号線なんてのがある。行ってみよう。これは走りやすい道だ。国道でもないのにカーブも少なく道幅が広い。長いトンネルを抜けると富良野市街に入ったみたい。っていうか、こちら方面から来た事ないんで、しばらく方向感覚がわからなかった。でもJRの高架橋を渡って、やっと富良野に来た事を実感できた。
チョット早いんだけど布部札幌軒に向かう。暖簾が出ていたんで営業しているようだ。ここも北の国からのロケ地になった所。記念の塔が建っていた。さっそく入店。時間が早かったからかな?誰もお客さんがいなかった。チャーシューの醤油味をオーダー。何だか札幌ラーメンぽくないんだけど、俺的には好きな味。しつこくなくスープも美味しい。富良野ラーメンって聞いたこと無いからオリジナルなのかな?まあどうでもいいけど!美味しいから。

店内には、ロケ中で撮影した写真がパネルで展示されている。それらもあわせて見てみるのも楽しそうだ。ちょっと寒かったから温かいラーメンも最高だった。クセになる味だったし。
店を出て昨日寄った布部駅に再度訪問する。偶然帯広行きの列車が出発していったところだった。残念写真撮りそこなった。しばらく列車は来そうにない。って思っていると、さっきの帯広行きで下車したおじいさんが

「今俺が乗った列車が山辺で列車行き違いで快速が来るから待ってればいいよ!」って教えてくれた。俺がデジカメ持っていたから教えてくれたんだろうか?ありがたい。でも快速は布部は通過するから時刻表には載っていないんだ。待つ事10分。本当に列車がやってきた。汽笛を鳴らして近づいてくるので、ちょっとホームから離れて撮影。でも通過の際に巻き上げた雪の凄い事!なるほど!運転手は判っていたから、俺に汽笛を鳴らしていたのかな?だとしたらゴメンナサイ!

あとで知ったんだけど、この通過していった列車は快速勝狩号で、釧路を朝6時に出発している列車だった。すんごい!俺が新夕張駅に到着する前には釧路を発車していたのね!さすが北海道って思っちゃった。少し胃袋も落ち着いたかな?さて次行こう。
つぎは「くまげら」ここは蛍の結婚式の打ち合わせのために純が来た飲み屋。昼なんでどうかな?って思ったんだけど、昼は飲食もやってるそうだ。誰もいないので、カウンターに座らせてもらった。

お店の人に聞くと。カウンターのほぼ中央で純が座って、、、とにかくロケをやったそうだ。

「へ〜ロケセットじゃなく本物だったんだ。」でもカメラアングル大変だったろうな。ここはマニアックなメニューが結構ある。和牛の刺身丼とかチーズ豆腐とか、、、、、。
好みは分かれる所だけど、俺はオーソドックスに天ぷら定食をオーダー。カリカリとした天ぷらも、これまた美味。さっきラーメン食べて1時間も経っていないから、食が細いけどユックリいただくことができた。ごはんのお代わりできるらしいけど、それはやめた。食べながらカウンターの女性に北の国からの話を聞いた。

彼女は、もちろん富良野在住の人。あまり北の国からの思い入れはないらしい。もしかして地元だからかな?何でも彼女の自宅の近くでロケがあった時のこと。その日は快晴なのに、大型の扇風機を廻して雪を投げ入れ吹雪みたいなシーンをやっていたという。でも地元のたくさんのギャラリーがいて、ドラマってこんなもんなんだ!って感じさせられたんだって!へ〜さすがに知らなかった。もしかしたら富良野の人にとっては普通の光景なのかな?確かにあれだけのドラマをやってれば、何処かで撮影に出会うかもしれないな。
さすがに、食いすぎた。美味しいから辛い。通りを走ると、んん?見たことある白いたてものが、、、。あ〜財津医院だ。でも実際は渡部医院となっている。ってことは、ドラマで使用された名前こそ違うけど本物の病院なんだ。ふ〜ん!

このあと「つるや金物店」を発見。別の意味でトレジャーハンターになれそう。だって、市内をブラブラしてると何か発見できるんだもん。多分シーズンの夏はしばらく観光客が絶えない時期が続くんだろうな。金物屋さんは、ごくごく普通のお店。別に買い物なんてないから車窓で済ます。もう時間も13時30分くらいだ。
そろそろ千歳に戻らなければ。あ〜三日月食堂を発見しちゃった!どうしようかな?お昼はもう2食、食べちゃったし。さすがに胃袋と相談する。まあ行ってみようか!でもお昼3食なんて俺初めて!さすがに苦しいわさ!「くいしん坊万歳」じゃないんだから。

あっさり系の塩ラーメンをオーダー。出てきたラーメンは、見たとおりあっさりしていて美味しい。でも、箸が進まない。強引に食べたけど、カウンター目の前だから、お店の人に申し訳なくて。何とかスープを残して完食。

「あ〜気持ち悪い。」いくら滅多に来る事がなくても3食は無理だったな。できれば普通にお昼で食べてみたい。でないと本当の味がわからない。今度富良野でお昼を食べる時は真っ先にここに立ち寄ろう。そして美味しいラーメンを食べてみよう。

で、結局時間は14時前。このままだと日勝峠でも夕張経由でも間に合うかわからない。そこで、やや遠回りかもしれないけど、高速を利用して道央自動車道の三笠ICから千歳に向かえば時間を稼げるだろう。道道135号線から国道452号線でさっき走った桂沢湖まで向かう。ここまでは何にも問題なく走れるはずだ。さっき走っただけあってロケーションも判っているから。ただ桂沢湖で左折しないで直進し三笠をめざす道は未知数。一部道路の移設や拡幅工事が所々で行われているけど、走行の車の絶対数が少ないので、対面交互通行でもたいして時間はかからない。

やっと三笠ICに到着。ここからひたすら千歳をめざす。高速は雪も無く快適に走れる。一部融雪で道が濡れているけど、こっちのコースを選択して正解かもしれない。昨年もバイクで夏に、この高速を走ったけど、札幌JCだけは不安になってしまう。すんごくでかいゲートでそのまま分岐があって千歳、苫小牧方面は大きく左にそれなければ、札樽道方面に行ってしまう。俺みたいなたま〜にしか来ないスピード狂は、真っ直ぐ突っ込んで行っちゃいそう。一旦お金を払って北広島方面に。

千歳ICで降りてカーナビの指示通りに向かう。こんな時便利だね。でも自分で考えて走っていないから、同じ道で再度行けるかどうか不安だ。でもそんなに行くこともないし。時間は16時前にレンタカー会社に到着。すんごい飛ばしてきちゃった。手続きを終わらせてバスに乗り新千歳空港に向かう。俺の知る限りレンタカーの事務所は新千歳が一番遠い。だってバスで15分位乗るんだもん。何とか搭乗手続きは20分前に完了。

「あ〜あせった!」連れのお土産にネコタマやラーメンなんかを土産で購入して機上の人に。
夕186時に羽田に到着。今回は早めに自宅に帰りたいので夕方の便にしておいた。いつもならば20時台のフライトをチョイスしているところだけどもね。20時前には自宅に到着。連れに さっき買って来たばかりの「サッポロラーメンを作ってもらう」

「マジ!うめ〜〜!」
あ〜っと言う間の旅行でした。
編集後記
今回、この旅行は全く考えていなかった。つい先々週北海道に行った時に、実際は石勝線の新夕張から楓駅まで乗車する予定でいた。ところが札幌から新夕張までの距離の理解不足だったため早朝の出発したにもかかわらず、乗車することができなかった。いつの日か乗車できればいいや!って思いたいところだけど、3月12日で廃止になってしまう列車にはどうしても乗りたい。あと2ヶ月しかない。連休を使っていくと今回がどうしても最後の日になってしまう。

はっきりいって行く事よりもお金がもったいない。でも、今回行かなければ確実に後悔してしまいそう。そこで、何としてでも行きたくなってしまった。マニアでなければ往復12分の列車の旅に飛行機代やレンタカー、ホテル代で、一気に8万ちかく吹っ飛んでしまう。理解できないだろう。でも俺は、今後日勝樹海ロードを何度もツーリングで走るだろう。廃止になった楓駅前を通るだろう。一度も列車を見ることも乗ることもないまま、記憶の外に出したくなかったので、金額が全てではない。それだけは言えそうです。でも2週間前に行けたのに、それが残念でたまらないでしたけど。

それに北の国からの冬のロケ地巡りも楽しかったです。普通、北の国からフリークでもここまでする人は少ないでしょう。
そこそこ楽しめた旅でした。今回も旅行と言えるほど大掛かりではないので番外編として記載させていただきました。
過去の1ページとして記念に残しておきたいと思っています。
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